いかにもローカル線といった雰囲気の小さなJR粉河駅を出て、正面に見える商店街をまっすぐ歩き続けること約10分、赤い欄干の小さな橋の向こうに粉河寺の大門が見えてきます。 県下三番目の大きさを誇るという大門は、近くで見ると大変立派でした。 山門をくぐると綺麗に整備された広大な境内が、小川に沿って細長く続きます。 石畳の参道を歩くこと数分で、蓮を象ったユニークな御手水の後ろに中門がそびえていました。 総欅造の豪奢な山門には、四天王像が祀られ、精巧な木組みと合わせて見応えがありました。 中門を過ぎると参道は左に折れ、石段を登り、ようやく本堂に到着です。 本堂はまずその大きさに驚きましたが、横から見ると複雑な屋根の構造が独特でした。 御本尊は絶対秘仏ですが、拝観料を払って内陣に入ると、閉じられた厨子を取り囲むように二十八部衆や風神雷神など、他の多くの仏様を拝むことができました。 なかでも鬼子母神の微笑ましい姿は印象的でした。 本堂前の粉河寺庭園は、石段分の段差を利用して造られた珍しい枯山水ですが、石組みが複雑で、西国最大の本堂と合わせてシンボル的な光景を作り出していました。