日本は古来より、太陽や月、山、海など森羅万象に神様が宿るという信仰が広く伝わっており、また、水はいのちの源であると考えられることから、滝は神聖な場所としても親しまれてきました。
勢いよく流れることで水しぶきがあがり、癒しを求めるにはぴったりのパワースポットと言えます。
ぜひ、自然あふれる滝のパワースポットをめぐってみましょう!
滝のパワーがいただける関東近郊の日本三名瀑
一般的には、「華厳の滝(栃木県)」「那智の滝(和歌山県)」「袋田の滝(茨城県)」が三名瀑とされており、そのうち関東から2瀑が選ばれました。
観光名所としても名高い「華厳の滝」と「袋田の滝」についてご紹介します。
- 栃木県 日光
華厳の滝
落差97m、幅7m、滝壺の深さは4.5mと壮大な華厳の滝を最初に見つけたのは、日光開山の祖である勝道上人(しょうどうしょうにん)で、華厳という仏教経典が名前の由来といわれています。
約400m先にある中禅寺湖は男体山の噴火による溶岩で大谷川(だいやがわ)がせき止められてできた湖で、この中禅寺湖の水が地中を浸透し、噴出したものが華厳の滝なのです。
溶岩で形成されたこの一帯は水に弱く、華厳の滝の地盤も少しずつ崩れ、中禅寺湖の方へ後退しているそうです。
この壮大な景色を見られるのは今だけかもしれません。
近くのパワースポット
華厳の滝から | |
日光二荒山神社中宮祠 | 車で約5分 |
日光東照宮 | 車で約35分 |
- 茨城県 大子町
袋田の滝
高さ120m、幅73mもある袋田の滝の一帯は、1,500万年前までは海底で噴火する火山でした。
やがて海底火山活動が終わると、海底で砂や泥が堆積し、隆起を繰り返しながら再び陸地となり、そこに川が流れることで、現在の袋田の滝が形成されたといわれています。
袋田の滝の特徴のひとつとして、四季折々に見せるさまざまな表情を楽しめるという点があります。
平安時代の西行法師をはじめ、徳川光圀や徳川斉昭らが和歌を残しており、昔から親しまれていたことがわかります。
春は新緑が映え、夏は太陽の光が水面に反射しキラキラと光り、秋には紅葉で彩られ、冬は水が凍結し氷瀑が楽しめます。
近くのパワースポット
袋田の滝から | |
竜神峡 | 車で約30分 |
滝の分類について
「滝」とは、川や湖などの水が勢いよく流れ落ちる場所をさし、「瀑布(ばくふ)」「早瀬(はやせ)」とも呼ばれています。
国土地理院では、流水が5m以上の高低差により急激に落下する場所が滝と定義され、日本全国に約2,500瀑存在します。
「滝」といっても、地形の違いによって水の流れ方は様々です。
栃木県の華厳の滝のように水がまっすぐ落ちるものや、茨城県の袋田の滝のように水が段を作りながら落ちていく滝など、その場所ならではの滝の景観が作り出されています。
一般的に滝の景観の違いによって「直瀑」「段瀑」「分岐瀑」「渓流瀑」「潜流瀑」の5つに分類されます。それぞれの特徴や代表とされる滝をご紹介します。
直瀑
イメージ:養老の滝(岐阜県)
滝口(落下開始地点)から垂直に落下する滝で、一直線に落ち、力強さを感じることから「男性的な滝」といわれることもあります。
名瀑と呼ばれるものが多いのが特徴で、「日本三名瀑」「日光三大瀑布」「奥日光三名瀑」に選ばれている栃木県の華厳の滝がこの分類にあたります。
代表例:華厳の滝(栃木県)、常布の滝(群馬県)、船尾滝(群馬県)など
段瀑
イメージ:西沢渓谷 七ツ釜五段の滝(山梨県)
滝口から流れ出た水が、途中で岩などにぶつかり、段を作りながら落下する滝を段瀑としています。
日本三名瀑のひとつである茨城県の袋田の滝も段瀑に分類され、4段にわたり流れていることから「四度(よど)の滝」とも呼ばれています。
代表例:袋田の滝(茨城県)、昇仙峡 仙峨滝(山梨県)、丸神の滝(埼玉県)など
渓流瀑
イメージ:吹割の滝(群馬県)
ゆるやかに傾斜した岩などの上を滑るように流れており、ある程度の高低差がある滝は渓流瀑に分類されます。一般的には傾度が45°以下とされています。
潜流瀑
イメージ:白糸の滝(静岡県)
川が落下してできるのではなく、岩壁の割れ目から地下水が湧き出るように流れる滝を潜流瀑といいます。数はあまり多くなく、珍しい形状です。
代表例:千条の滝(神奈川県)、素簾の滝(栃木県)など
滝の楽しみ方
水の流れを見て癒される、滝行をする、カメラで撮影するなど、滝の楽しみ方はいろいろあります。ご自身にあった楽しみ方で滝のパワースポットめぐりをしてみてください。
楽しみ方① 観瀑台から滝を鑑賞する
華厳の滝や袋田の滝など、観光地としても有名な滝には、近くから滝を鑑賞できる観瀑台があります。
オーソドックスな楽しみ方ですが、滝全体を見て自然の壮大さを感じたい方におすすめです。
場所によっては水しぶきをじかに感じることができ、癒しの効果もいただくことができます。
楽しみ方② 滝の裏側を楽しむ
中には、流れる水の裏側から楽しめる滝もあります。
表から見る時とは印象が異なり、目の前で滝の流れを感じることができるのが魅力のひとつです。
関東近郊で裏側から滝を楽しめるスポットは、入沢の滝(群馬県)、棚下不動の滝(群馬県)、月待の滝(茨城県)、裏見ヶ滝(東京都八丈島)などがあります。
特に、月待の滝は別名「裏見の滝」「くぐり滝」と言われるほど、滝の裏側を楽しめる名所となっています。
楽しみ方③ カメラで撮影する
カメラの設定でシャッタースピードの設定を変えることで、滝の様々な表情を捉えることができます。
シャッタースピードを早くすると、水の粒が細かく映し出され、水のダイナミックさを表現でき、シャッタースピードを遅くすると、水の流れがつながり線となり、美しさを表現することができます。
最近カメラスポットとして注目を浴びているのは、濃溝の滝(千葉県)です。
本来の滝の楽しみ方とは異なり、光の入り具合によって「ハートマーク」が現れることから、特に女性に大人気のスポットとなっています。
楽しみ方④ 滝行を体験する
滝行とは、滝壺に入って修行を行うことで、密教や修験道、神道の数ある修行のうちのひとつです。
水によって心身の穢れを清め、本格的な修行を始める前に滝行を行うことが本来の目的ですが、現代では、精神力を鍛えることや煩悩を取り払うことを目的として行う方が多いようです。
関東近郊で滝行ができるスポットとしては、龍神の滝(東京都/円泉寺)、夕日の滝(神奈川県)などがあります。
予約が必要な場合がありますので、詳しくは公式HPなどで確認してみてください。
滝行はあくまで修行の一環ですので、厳かな気持ちを持って行いましょう。
滝のパワースポットを探す
関東近郊には、他にも魅力的な滝が多く存在します。
ぜひ、お近くにある滝を探してパワースポットめぐりをしてみてはいかがですか。
登録されていないスポットはリクエストをすれば新たなスポットページを作ることができます。あなたの知っている滝スポットをぜひ教えてください。