菅沼集落は庄川のわずかな河岸段丘を利用して形成されたとても小さな村で、残された合掌造りの家はわずかでした。私は金沢から白川郷行きの北鉄バスを利用して訪れました。「五箇山菅沼」バス停は高速道路から少し降りただけの所なので、そこからさらに荘川沿いの集落まで歩いて降りていく必要があります。バス停から見えている合掌造り群は集落ではなく、合掌の里という宿泊施設だということに気がつくのに少し時間がかかりました。本物の集落はこの施設を通り過ぎて小さなトンネルを抜けてようやく辿り着きます。まさに「トンネルを抜けるとそこは日本の原風景だった」という感じで、トンネルはまるでタイムスリップ感を演出するいい装置になっていました。 観光客が少ないせいか、塩硝の館では係のご婦人がとても丁寧に昔のくらしの様子などを説明してくださいました。集落内は歩くだけなら10分程度で一周できてしまうほどの規模ですが、庄川の近くには橋代わりに利用されていた「籠の渡し」が展示されていたり、集落の周囲も散策できます。また駐車場に併設された展望広場は集落が眺望できる絶好の写真スポットです。