玉川湖畔のほとりにひっそりと佇む天神社。 もともと旅程に訪問予定はなかったのですが、せっかくだからと参拝させていただきました。 朝早い時間だったこともあり、神社周辺はとても静かでひっそりしていました。 社殿に近づいていくと、大きなしめ縄が視界に入ってきます。それがあたりの静寂さとともに威厳を感じさせる雰囲気で、なんとも印象的でした。 裏手の山を少し上ると小さな祠(ほこら)もあり、朝の参拝をされていた地元の方とすれ違いました。 もしかすると毎日の日課なのかもしれません。 さて、この天神社。 天神様が菅原道真公とゆかりがあるということはなんとなく知っていましたが、「天神様」の由来についてはあまりよく分かっていなかったので、戻ってから調べてみました。 平安時代に活躍していた道真公と対立の立場にあった藤原時平は、道真公の左遷をもくろみ、追放に成功したといわれています。道真公が亡くなった数年後、時平自身も若くして亡くなるのですが、追放に加担した人々の相次ぐ不幸、清涼殿(天皇の住居)にも雷が落ちる等の災難なども続き、次第に道真公の怨霊のせいだと噂されるようになったと言います。 そこで、人々は道真公を雷や天候をつかさどる神である「天神」(=雷神、らいじん)と結びつけ、国をまもる神として祀るようになったそうです。 また、雷が鳴った時に「くわばら くわばら」とよく雷除けの呪文を唱えますが、道真公の所領だった「桑原」にだけは雷が一度も落ちなかったという言い伝えから、この呪文を唱えるようになったという説もあるのだとか。 こうして天神信仰(てんじんしんこう)は、日本における天神(雷神)に対する信仰として各所に広まっていき、特に菅原道真公を「天神様」として畏怖・祈願の対象とする信仰となっていったそうなんです。 菅原道真と雷。 いずれの逸話も本当かどうかは定かではないですが、今まで全く結びつけたことがなかった二つの存在が急にシンクロして、不思議な気分になりました。